本当の旅します。
※この度のインターヴューは、まず、彼の人気ブログを読んでからだと分かりやすいです。
焚火を囲んで眠るような話
T.TAKANO:
また、店、ながく休むんですか?
夏。今度はどこ行くんです?
田村:
そうなんですよ。フランス行きます。店、休む以上、行かないわけには・・・。
T.TAKANO:
- この度はフランスの何処に?
- 去年行ったところと同じところにですか?
田村:
いやいや、去年はひとつの家に、泊めてもらって住んでたんで。
今度は本当の”旅”します。
周ってどれだけパンを喰うか、喰えるか。
T.TAKANO:
レストランとかバンバン入っていく感じ?
田村:
- ううん。カフェとか、パン屋とか。
T.TAKANO:
あ!そう、そう、そう、聞きたかったことあったんです。
先日、田村さんのブログ(2009年6月20日の記事)に書いてましたが、パンに入る切れ目、" クープ "が、はじけてない、ってどういうことなんですか。
田村:
向こう(フランス)のパンはですね~。クープがはじけてないんですよ。
僕はパン屋始めたときから、そこにたどり着きたくて。
でも、日本の本とか見ると、はじけるほうが偉いんですよ。
T.TAKANO:
ふむふむ。なんで、日本だと、はじけてるほうが偉いんですか?
田村:
やっぱね。日本のお客さんは、形がきれいなほうがいいていうか・・・。
バケットだったら、クープが立ってるほうが、いいみたいなのがあるんで。
そういう元気な感じのパンがいいと言われているんですよ。
向こう(フランス)のは、結局は発酵しきっている状態で焼くんですよ。
そうしたら、焼く前に、ほとんど完成してて、焼いてもそんなに大きくならないんです。
T.TAKANO:
あ、そうか。大きくなるからはじけるんだ。
田村:
そう、急に、ワッ!と大きくなるからはじけるんですけど、向こうのパンはある程度大きくなってて、それをちょっと切ってっていう。
T.TAKANO:
でも、それ、ここで言っちゃったら、有名パン屋、”ドリアン”のパンを真似する人が出てくるかもしれないけど、
これ、記事に書いても大丈夫ですか?
「な~んだ、長時間、発酵させればいいんだ」って話にならないの?
田村:
- いや、それは、ならないんです。
- そんなに簡単にはならないんです。
T.TAKANO:
- 以前、怪我の功名で、失敗したパンから黒砂糖の香りがすっごいするって言ってたじゃないですか。
- 「これで、また、ドリアンのパンが良くなりますよ!」って・・・。
- あれからの進展はどうですか?
田村:
もうちょっと、もうちょっと。
でも、実は実用段階にはいってるんですよ。
T.TAKANO:
酵母に小麦粉と水を混ぜただけで黒砂糖の香りがでる。
それと、クープがはじける、はじけないって関係があるんですか?
田村:
- それが~、あるんですよ。10年前に買った本に書いてあった事、ずっと理解できない部分があったんですけど、
そこが最近、やっと解明できたんです。
黒砂糖のような香りを出す為には、生地を発酵させすぎてはダメなんです。
でもしっかり発酵させないと、生地はふくらみきらなくて、クープの立ちすぎるパンになる。
矛盾してるんです。。。
でも、そこを両立できないと、天然酵母の意味もないんです。
うーーーんとずっと悩んでいたら、
あ、そうか。。と。
でじつは、それは、
昨年フランスで教えてもらったことと、まったくそのままだったと。。。
その時は、なんかあまり注目してなかったポイントだったんですが、
1年いろんな実験して、そこに戻ってきたんです。
昨年のフランス研修がなかったら、通り過ぎてしまってましたよ。
だから、やっぱり今年も行かなきゃならないな、と思ったわけなんです。
Inter View 田村陽至 ×T.TAKANO 2009.July at R・Gerant
いつも思うんです。田村さんに会うと。
この人、大きいなあと。背丈とか体格じゃなく、人の持つ雰囲気のスケールが大きいなあと感じます。
だからといって、ガツガツした感じで豪快って感じとは程遠く、実際に会うと、フワっとしてて、のんびりな話し方をします。
彼はパン屋になる前に、北海道や沖縄やモンゴルで、生活をしていました。
そして、山岳ガイドや、環境問題に携わる仕事をしていたそうです。
だからなのでしょう。
彼はただ単に、パンを焼いてるのではなく、シンプルな生き方や文化みたいなものを、パンを通して表現しているのを感じます。
実際、一緒に飲みに行くと、政治や社会や文化の話、そして生活の在り方や生き方の話ををよくします。
そんな話の中で、のんびりした口調の中にも、中身はすごく熱く、実直で正直な性格が垣間見れます。
数々の有名シェフや美食家の方から、絶賛され、全国的にも有名なパンを焼く彼に、以前、こんな、ちょっと意地悪な質問をしてみました。
「パンとご飯、どっち好き?」
小さな声で、
「ご飯です・・・。」
と返ってきました。
そこが、また、なんとも言えない彼の魅力です。
T.TAKANO

